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Vol.19 再生砕石の擁壁の裏込め材としての使用について

投稿:2025-09-26 更新:2025-09-26

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再生砕石の主要用途は、道路路盤材や建築基盤材ですが、擁壁の裏込め材の用途もあります。今号では、この用途に使用する場合の構造や再生砕石の品質規格について解説します 。

擁壁の構造

積みブロック擁壁の断面図。裏込め材として再生砕石が使用されている。

擁壁の構造は、地山のコンクリート積みブロックの背部に胴込め・裏込めコンクリートを打設し 、その背部に裏込め材の再生砕石を敷設し、その背後が地山になります 。

※出典:土木工事標準設計図集(青森県県土整備部), 2021年9月

擁壁の裏込め材として使用する再生砕石の品質規格

(1)粒度

再生砕石の粒度規格の一例を示す表。RC B-4000とRC B-4010の粒度範囲、細粒分含有率、塑性指数が示されている。

再生砕石の粒度規格の一例を上に示します 。一般的な再生砕石は、RC-40などの呼び名ですが、擁壁の裏込め材として使用する再生砕石は、RCBという呼び名にしている自治体もあります 。RCの後に付くBは裏込め(Backfilling)の頭文字で、再生クラッシャラン(RC)の呼び名と区別しています 。

(2)不純物

不純物の内容とその上限値を示す表。タイル、ガラス片、石こう、プラスチック片などが分類されている。

不純物の量は、JIS A 5023「再生骨材コンクリートL」附属書AのA.5.2によって試験を行い 、上の表の上限値以下である必要があります 。

(3)六価クロム化合物の溶出と含有

六価クロム化合物の溶出試験と含有量試験の基準値を示す表。溶出基準値は0.05mg/L以下、含有量基準値は250mg/kg以下。

有姿試料での溶出試験(JIS K 0058-1)および粉砕試料での含有量試験(JIS K 0058-2)により 、六価クロム化合物について、上の表のとおり土壌汚染対策法による基準値を満足する必要があります 。

※出典:土木材料仕様書(東京都建設局),令和7年版

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